ふるさと納税ランキング

ここ数年、ふるさと納税の市場が活況になっています。8月1日 総務省より「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和5年度実施)」が発表されました。

〈受入額ベスト5〉

団体名受入額
1位宮崎県都城市195億円
2位北館道紋別市194億円
3位北海道根室市176億円
4位北海道白糠町148億円
5位大阪府泉佐野市137億円

この調査結果によると、自治体における返礼品の調達原価ほか費用は約47%とのことです。つまり受入額の約半分が企業会計で言う販売利益になります。自治体にとっては大きな収入になりますね。

また、住民税控除額の実績も公表されました。

団体名控除額
1位神奈川県横浜市272億円
2位愛知県名古屋市159億円
3位大阪府大阪市148億円
4位神奈川県川崎市121億円
5位東京都世田谷区 98億円

これは「市町村民税を他の自治体に取られたランキング」とも言えます。人口の多い大都市から地方にお金が流れていることがわかります。

納税者から見ると、ふるさと納税をしても、しなくてもキャッシュ・アウトは同じです。(足切りの2,000円は無視します。)よって厳密な意味での節税ではないのですが、返礼品がゲットできますので、そこが得したことになります。返礼品の調達原価が約28%との調査結果ですので、「10,000円寄付したら、10,000円税金が少なくなって、約3,000円の返礼品をゲットできた。」のイメージです。

ゲットした返礼品は一時所得になります。一時所得は年間収入が50万円を超えると課税対象になります。返礼品の調達原価を考えると、50万円を超える価値のある返礼品をゲットするには、年間で約170万円のふるさと納税をしなければなりません。よほどの高額所得者でないと控除限度額に引っかかります。(控除限度額は個人の所得金額によって異なります。)

ふるさと納税は地域特産の返礼品を楽しめるだけでなく、日本の地方創生に貢献する制度でもありますので、ぜひ一度試してみてください。

キャッシュ・マウンテン

経営をしていく上では手元資金が多いほど安心。

上場企業は財務データを公表していますので、参考に見ていきましょう。

上記のグラフはカシオ計算機の当座比率です。どうでしょう、「メチャクチャ高い」とは感じませんね。(ほどよく高いです。)

あり余るほど、山のように高いほど良いのか、そうではありません。

高い→資金が余っている→有望な投資先に投資できていない と財務論では考えます。

キャッシュ・マウンテンの状態なら

・設備投資、研究開発、市場開拓

・自社株を購入する(株主還元)

こられに資金を回す検討をしなければなりません。

中小企業の場合は安全性を考え、当座比率250%~300%が目安になります。

「キャッシュ・フロー経営」最近あまり聞かなくなった気がします。デフレ下においては、やはり資金を貯める・増やすことが重要になってきますが、インフレになると不動産に投資した方が有効です。東京・大阪・京都など大都市の不動産価格が上がっていることを考えると、投資してゲインを得た方が得策になります。

ちなみに私は電卓はCASIO派です。よって今回はカシオ計算機の財務データを使わせていただきました。

譲渡制限付き株式報酬

2016年の税制改正で解禁された譲渡制限付き株式報酬、人材確保のため導入企業が増加しているとのことです。

日本経済新聞の記事によると、ソニーグループは3千人、ルネサスは2万人、セコムは2万3千人など、役員だけでなく一般社員に対しても株式報酬を与えるとのことです。譲渡制限付き株式報酬については、企業側では損金になりますので税負担も軽減できます。

 〈 株式報酬制度の主なタイプ 〉

譲渡制限付き株式報酬(RS)
譲渡制限付き株式ユニット(RSU)
株式給付信託(ESOP)
ストックオプション

野村証券によると主要な株式報酬制度を従業員向けに導入した企業は、6月末時点で966社、上場企業全体の約25%だそうです。以前は役員・管理職向けにストックオプションを導入するのが主流でしたが、人材確保の観点から今後は一般社員にも譲渡制限付き株式報酬を与えるのが主流になると思われます。(オムロンは新入社員にも与えるとのことです。)

このような報酬制度(ソニーグループであれば1人あたり平均で2,000万円)を与えることができるのは上場会社だから可能な訳で、単に会社員といっても、上場会社に勤務する会社員と非上場の会社(主に中堅・中小企業)に務める会社員とでは、生涯賃金の差が益々大きくなり、当然にそういった報酬制度のある企業に人材は流れてしまいます。

非上場の会社(中堅・中小企業)はどう人材を確保するか

・所定労働時間を短くする

・中退共+イデコプラス

・企業型DC

賃上げしたいところですが、キャッシュアウトが増えます。資金的に余裕がなければ、まずは労働時間を短くする経営を徹底的に追求すべきです。生産性は下げずに、労働時間は短くする。支払う賃金は同じでも、実質的には賃上げです。

退職給付会計が未導入な会社がほとんどだと思います。つまり退職債務を把握できていない。できるところから、毎月少しずつの金銭負担で、退職金の準備をしていることを知らせることも、人材確保・定着率の向上には大切だと思います。

従業員・求職者に対し「魅力的な働く条件」を提示することができるか、経営者は考える必要があります。